2018年4月23日 (月) | 妊娠時の腰痛, 院長ブログ

妊娠&出産時における腰痛

妊娠腰痛の関係

妊婦さんの腰痛が増えています。

 

妊娠と出産は女性にとって大事業です。

出産を境に体調が良くなる人(体調が戻る)と悪くなる人がいます。

それは妊娠と出産が、ヒトの最も大切な骨盤と深く関わっているからです。

 

胎児がおなかの中で大きく成長するに従って、骨盤の仙腸関節は緩んで、胎児が生活できる空間をつくります。

しかしもともと骨盤が緩い人が更に緩んでしまうと、産道が開いて妊娠状態が持続できなくなり

腰痛を引き起こすことがあります。

 

それを防ぐのが古来からの知恵である(腹帯)です。

 

最近は、装着が簡単なコルセットやゴム製バンドが普及していますが、(胎児がいるスペースを圧迫せずに

支えて骨盤のみを締める)という三つの目的を全て果たすには、サラシが一番適しています。

巻き方は妊娠期によって変わりますので、年配の助産婦さんに知恵を授けていただくか、

構造医学を採り入れている医療者にご相談ください。

 

胎児が重力によって、産道から自然に降りてくる【座位分娩法】が一部の産科や助産院で推進されています。

また、陣痛促進剤の使用や、お産婆さんたちが恥とした会陰を公然と切る【仰向け分娩】の不合理性など、

出産についての見直しが始まっています。 これらの問題は、出産を控える女性だけでなく、パートナーとなる男性も是非、心を傾けてください。

 

近年、出産後のトラブルが増えているようです。腰痛をはじめ、めまいや頭痛、目の痛み、足がフアフアする、疲れやすいなどの神経症状」が主でこれは『出産後母体症候群』と呼ばれています。

出産では胎児の出てくる産道が広がるために、おのずと骨盤関節が緩みます。それが綺麗に閉じるには、出産後約7週間を要します。

骨盤の尾骨は脊髄と繋がり、脳と関連しているので、出産後の1~2か月間を骨盤安定のため、安静に経過をみることが大切ですが、

無理をすると神経系を崩してしまうことになります。特に二児出産以降は、絶対安静が必要です。

 

昔は産前産後に腹帯をしたり、産後の一か月間は安静にして、洗髪や読書も控える習慣だありました。

しかし、核家族化や産科指導の不徹底、妊婦自身の体長不良状態での妊娠、出産に臨んだことなどが、出産後母体症候群が増えた理由だと考えられます。

 

緩く不安定になっている骨盤には、捻じりや強く押す力を絶対に加えてはいけません。

 

処置としては、微細な力で骨盤の関節面を正しい状態に誘導する方法をとり、腹帯をして骨盤の安定を計る必要があります。

当院では、出産後の腰痛を始めとする様々な症状の方はもちろん、元気な赤ちゃんを産むために、妊娠直後から施術を行っています。