私は長年の治療から歩くことを主体とした症状の改善を
多くの患者さんで確認してきました。
今回はその治療の経験から導いた【歩き方のコツ】についてお話しさせていただきます
- 荷物はなるべく持たずに歩く。
- 平坦な道を歩く。
- ジョギングシューズなどクッション性に優れた運動靴を履いて歩く。
- 止まらずに30分以上、目標としては40分を超える程度歩く。
4つコツを守って歩き続けることで腰痛の改善効果が期待できます。
なぜならこの歩き方は<体のバランス改善>が見込めるからです。
ここでいうバランスとは、筋肉や骨格の前後左右のバランスというようなものも含みますが、
本質として
<地球の重力のもとで前に向かって移動し続けてきた>
という人間の生理に対するバランスです。
それでは【体を整える歩き方】がなぜ体のバランスを整えられるかを解説していきましょう。
➀荷物・・・・・・・・・・・
動きの中でバランスをとることについて、分かりやすい実験があります。
板の端にビー玉を乗せて左右交互に揺すると、次第にビー玉は板の中心に近づいていき最終的に中央付近で安定します。
これには左右の振り 幅が均等であることが条件です。
実は、これと同じような出来事は歩いている時の体の中でも起こっているのです。
体のどこかに修正を必要とするような偏りがある時、左右交互に足を出して歩くことで板を揺すられたビー玉のようにあるべき姿に修正されていくのです。
しかし、そのためには歩行中の左右の動きが均等である必要があります。
もし手荷物を持っていたらせっかくの歩行もバランスが崩れてしまいます。
ノートパソコンの入った手持ちカバンや野菜の入ったトートバックなどは当然ですが、
ハンドバックや折り畳み傘、スマホであってもバランスは変わります。
もっと極端な事を言うと、片手にハンカチを握るだけでもバランスは変わってしまうのです。
腰痛を改善するにはバランスを整えることが重要ですから、
荷物は持たずに手ぶらの状態で歩いてください。
どうしても荷物を持つ必要がある場合は、両肩に均等に重さがかかるリュックサックが良いでしょう。
➁平坦な道・・・・・・・・・
階段を昇り降りする、後ろ向きに歩く、トレッドミル(ウォーキングマシン)を歩く、エクササイズみたいなことをしながら歩く・・・
<やっている感>
はでますがここはひとまず腰痛などが体が抱えている問題を整えるという事を第1に考えて下さい
体を整えるには、素直に平坦な道を歩くのが一番です。
<奇をてらった健康法>
には問題をはらんでいるものが多くあり、あなたの健康を害してしまう危険性もあるという事を覚えておいてください。
➂ジョギングシューズ・・・・・・
祖先が何百年もの間歩いてきた状況を考えると、歩くのに適した格好はおのずと決まってきます
素足で地面を歩いてきた時間が圧倒的に長いはずなので私達もそうしたいところですが、
残念ながら路面はアスファルトで舗装さてていて素足では危険です。
そこで、靴の中を地面の環境に近づけるという発想に至ります。
草むらや土に足を乗せたときの柔らかさは、ジョギングシューズなどのクッ ション性の高い運動靴が高いと考えられます。
靴の中で足がづれない程度に横幅に余裕があり、かかとだけではなくつま先の方までしっかりとしたクッション性のあるものを選んでください。
ただし、この時アーチサポート等を唱った<土踏まずを下から突き上げるインソールは>問題のあるものが多くおすすめできません。
アーチ構造は上からの過重には強いですが、下からの突き上げには非常に弱い構造になっています。
インールによって土踏まずを下から持ち上げる力が加わり続けた場合、靴を脱いで立った時にアーチは崩れやすくなってしまっています。
また日常的にもできるだけ運動靴を履きましょう。
パンプスやサンダル、ブーツなどのおしゃれな靴によって足を壊し、そこから腰痛になる ケースをたくさん見てきました。
おしゃれ履きは特別な日に留めておいた方が無難です。
➃止まらずに・・・・・
昔からお米を炊くコツは<赤子泣いてもふた取るな>のどといいますね?
美味しくご飯を炊くためには何があってもふたを開けてはいけませんよ、という意味ですが、
実はバランスを整えるためのウォーキングも同じです。
つまり、途中で止まらないことが大切なのです。
止まらづに歩き続けることを連続歩行と言います。出来れば最低30分、目標は40分を超えるまで止まらずに歩き続けたいところです。
ちなみに私はウォーキング中、目の前の信号が赤だったら1度道を曲がって青になるころに戻ってきて渡るようにしています。
自分でもちょっと極端かなと思ったりしますが。
なぜそこまで徹底して止まらない様にしているかというと、途中で止まってしまうと整えかけた体のバランスが定着せずに元に戻ってしまうからです。
歩行の効能がしっかり体に伝わる時間はだいたい30分程度だと考えられています。
そのため連続歩行は最低30分、できれば40分ぐらいは止まらづに歩き続けたいところです。
また、連続歩行に慣れていない方は50分も歩き続けるとそれ以降は疲労から歩き方にくせばでてしまいバランスを崩しかねないので、
しばらくは40分そこそこを目安に歩くことをお勧めします。
なかには30分も歩けない、10分や15分が限界だ、という方もおられます。
その場合はいきなりバランス改善を目指すのではなく、まずは30分歩ける体力を身に着けるために歩いてください。
今日は10分、明日は11分、と少しづつ増やしていって、いづれ30分、40分と、黙々と歩けるようになった頃は、
ご自身の抱えていた腰痛の問題も以前とは違うものになっているはずです。
以上が<からだを整える歩き方>のコツです。
この歩行によって腰痛を克服できる方が増えてくれることを願っています。
ただし、もちろん中には歩くことで問題を助長してしまう症状の方もいないわけではありません。。
あまりにもかばい歩きが過ぎる場合です。
どうしても腰の痛みや足首や膝の問題が辛く、
からだが極端に傾いた状態で足を引きずるように歩いてしまっては、バランスを立て直そうと歩いたとしても弱効果になってしまう事があります。
そういった症状の方でも必ず手立てはありますので、先ずは信頼できる医療機関に相談ください。
仙人接骨院 仙人哲哉