腰の中には何があるのか
腰という場所は要という字を使うぐらい大切な場所です。
人によって(腰)と言い表す範囲は違いますが、だいたいは身体の背面で肋骨の下から骨盤付近を指します。
骨盤は非常に重要な場所です。骨盤の中には消化器や生殖器が入っており、足の起点にもなっています。
つまり、生物の三大要素である
≪補食≫
≪生殖≫
≪移動≫
に密接に関係しているのです。
骨盤は位置的にも体の中心部に存在しており、上半身の重さが股関節を経由して両足にバランス良く振り分けられます。
私達が立ったり歩いたり、安定して二本足で行動できるのは骨盤というバランサーが機能してくれているからなのです。
しかし、日常的に荷重のバランスを欠いた過ごし方をしていると、体は次第にクセをもってしまいます。
荷重のかけやすい側とかけにくい側の差が極端になってきたときなどに、バランサーである骨盤はくせを補強しきれずに破綻してしまいます。
腰痛には骨盤の影響力が非常に大きいのです
クセをもった骨盤の影響力は壮大です。
なぜなら骨盤は身体の中心にあって、まるで分度器の中心点の様のものだからです。
分度器で10度の角度を見た場合、中心部付近での円周と、分度器の外輪円周ではその長さは大きく異なります。
それと同じで、分度器の中心にあたる骨盤に何らかの要因でわずかに狂いが生じた場合、その周囲にはとても大きな影響を出してしまいます。
画像に現れないような中心部の問題が、その周りの股関節や脊椎などの関節や、筋肉、神経、血管、などに多大な影響をもたらすのです。
ですから、腰痛の原因は〇〇関節の硬さである、など世にはいろいろな腰痛の原因説が溢れていますが、そういったものは全て<原因>ではなく<結果>、もしくは<途中経過>にあたるものと言えます。
ここで一番お伝えしたいことは分度器の中心である骨盤の歪みを正せば、腰痛は治るのではないか?(骨盤の歪みが原因だ)と思われるかもしれませんが、実はそういった整体的発想は早合点であり危険です。
<ヘルニアの圧迫を無くせば痛みは消えるのではないか>という発想とほとんど変わりません。
大切なのは、<あなたの過ごし方は生物の理に基ずいていますか>ということです。
先ほどお伝えしたように、歩くことは人間の生理です。
歩行には果汁のバランスを整えるという点でも効果的な仕組みが組み込まれているのです。
人間の構造は、上半身は背骨を芯にして縦に積みあがっており、下半身は骨盤から左右に分かれていて、上に積まれた体重を支えています。
その足に対して左右交互に荷重をかけながら前に進むという動作は、縦積みの荷重を利用して、左右のバランスを動きながら補正していく働きがあるのです。
言い換えれが、骨盤をはじめとした体のバランスを崩してしまったことで腰痛を患っている方の多くが、人間の生理である歩行の量が足りていない、もしくは歩き方に問題があると言えるのです。
歩行は700万年の長きに渡り毎日毎日繰り返してきた歴史があります。歩行によって出来上がった私達の体にとって、今も日々歩きつ続けることは健康でいられる必要条件なのです。
仙人接骨院 仙人哲哉