2021年10月7日 (木) | 院長ブログ

増える「マスク頭痛」…その原因と対策

コロナ禍で、1日の大半をマスク着用の元過ごすことが当たり前のような生活になってしまいました。
そんな中、増え続けているのが、頭痛が増えたり悪化したという悩みです。
「マスク頭痛」という言葉も登場するなど、長引く新型コロナウイルスの影響は、様々なところで現れています。

【マスク頭痛の原因】
酸素不足
マスクを着用していると、マスクをしていない時と比べ、外から吸い込む空気の量がどうしても減りがちになります。
また、酸素が減り二酸化炭素が増えた呼気がマスク内にたまっていきます。
マスクの種類などにもよりますが、マスク内では通常の空気と比べて、酸素が約10%以上減り、二酸化炭素がおよそ30倍に増えるという報告もあるようです。
呼吸による酸素不足は、当然体内の血液中の酸素も減らしてしまいます。
血液中で二酸化炭素の割合が増えると、より多くの酸素を体内に供給できるように血管が拡張し、これが頭痛の一因になることが考えられます。

蒸し暑さや脱水
マスクを着用していると、マスク内の温度や湿度が上昇し、これが片頭痛の誘発因子になることが考えられます。
マスク内は湿度が高く、のどが渇きにくいことに加え、マスクを着脱する面倒から水分補給の機会が奪われ、脱水を起こしやすくなることも、頭痛の悪化につながります。

耳への負担
毎日何気なく着けているマスクですが、マスクの紐が耳に負担をかけ、それが首や肩のこりを助長している可能性があります。
さらに、片頭痛患者の半分以上の人には、通常は痛みとして感じられないようなわずかな触覚刺激に痛みを覚える「皮膚アロディニア」という症状が見られます。
マスクの紐というわずかな接触も、その刺激が片頭痛につながる可能性は十分に考えられます。

ストレス
いつでもどこでもマスクをしないといけない、マスクで暑い、苦しい、煩わしいなどのストレスも、頭痛の原因になる要素です。
長引くマスク生活は、慣れているつもりでも、やはりどこかでストレスを感じながら過ごしているという人が大勢いるのでしょう。

マスク頭痛の対策としては、
・必要のない時にはできるだけマスクを外す
・耳に負担の少ないマスクを選ぶ
・水分補給をこまめに行う
・運動や趣味の時間でストレスを発散する
ことなどが大切です。
感染予防にマスクの着用は有効な手段ですが、その中で少しでもマスク頭痛が起きにくくなるように工夫して、健康維持に努めましょう。