2017年2月13日 (月) | 院長ブログ

ぎっくり腰の話 (誤解の多い診断) vol1

ぎっくり腰は背骨の傾きでおこる激痛

 

重力と人間の関係は先日もお話しました。

重力に順応して生活するためには体重をしっかり支える丈夫な骨となめらかに動く関節が必要不可欠です。

ぎっくり腰は突然立ち座りや寝起き、歩くこと、これら全ての動作が不自由になる激烈な腰痛です。

 

整形外科では一般にレントゲンを撮り特別な異常がなければ急性腰痛症として安静と鎮痛剤(内服、座薬、注射、湿布)の指導と処置がなされます。

 

腰痛

 

という状態を考える時、イタリアのビザの斜塔が参考になります。

 

塔が傾いたのは決して偶然ではなく、塔の地盤工事にミスがあった事が分かっています。

 

地盤の軟弱な側が沈み、塔が傾くごく自然な現象です。

その影響で今日も少しずつ塔が傾き壁にヒビが入っています。

それでも世界遺産の保存のためには基盤と壁の補修工事を毎日行われています。

 

ぎっくり腰で運ばれてくる方は、みな同じ姿勢で来院される

 

ぎっくり腰の人は付き添いに支えられ背骨が傾いた状態できます。

これはピザの斜塔と同じ理由で背骨を支持する骨盤に不安定な状態(潤滑前)があるために背骨が傾いてしまう状態です。

 

傾き曲がった背骨に付属する筋肉(壁)には異常な負荷がかかりビザの斜塔ならぬ、急性の筋肉炎で激痛が生じます(建物は一方方向に傾き続けて倒れますが人は傾く途中で反対側に曲がり倒れないように対応します)。

 

 

整形外科では腰痛の患者にまずレントゲン撮影を行います。

 

その画像診断からよく聞かれる事は

 

『背骨と背骨の間隔が狭くなっていますね・・・』

 

『背骨がから見て曲がっていますね。』

 

といった感じです。

 

このような背骨の診断が出たあとには、一般的に牽引治療をして様子をみましょうとなります。

 

しかし残念ながら牽引して隙間が広がるものではありません。

https://sennin-s.com/blog/418

(牽引治療についての見解)

背骨が曲がっているは原因はピザの斜塔のように地盤である

 

盤に歪みが

 

原因である場合が多いにもかかわらず、骨盤を注目した診断はあまりされない現実です。

 

その為、根本の治療をしない結果として、

 

ぎっくり腰の再発

 

が非常に多くなっているのです。

 

背骨と背骨の間が狭くなっているとは背骨と背骨の間にある椎間板が薄くなっている状態です。

中高年になると椎間板は自然に脱水して薄くなるので問題ありませんが若年層で薄くなる場合椎間板は消しゴムのようにすり減っているわけです。

したがって、椎間板に過剰な圧力と熱が溜まって破壊されたと解釈できます。

 

その原因は骨盤の仙腸関節の潤滑不全です。

 

骨盤の異常が背骨の湾曲を狂わせて椎間板に過剰な圧力がかかる状態を作っているわけですから

本来の治療すべき個所それは、

 

骨盤を整える

 

ということになるのです。

 

現に、当院の患者さんにはぎっくり腰の再発はほぼみられません。

 

もちろんその後の生活指導も徹底しますが

 

治療にて強固な土台を作り直すことが何よりも時間をかけるべきことだと考えます。