<いまだに原因不明が分からない…医療が発達している現代でも腰痛の原因はわかっていません>
腰痛とは(腰部に存在する痛みの自覚症状)を指します。
痛みが3カ月以上続くものを(慢性腰痛)、3カ月未満のものは(急性腰痛)と言われています。
日本で慢性腰痛に苦しむ方は約3000万人もおりまさに国民病といえるのではないでしょうか。
私達の身近な問題である腰痛ですが、現代医学においてその85%は原因不明だと言われております。
これは日本整形外科学会の定める「腰痛診療ガイドライン2012年度版にも明記」されているところです。※腰痛診断ガイドラインはこちらへ※腰痛診断ガイドラインはこちらへ
原因が分かっているとされる15%ですが、腫瘍や骨折によるもののほかに脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど、画像診断上に現れたものが当てはまります。
しかし、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアと診断を受けた方が、病態の原因とされている神経の圧迫を取り除く手術を行っても、治癒に至らないケースが非常に多いのが実状です。
そうなると、この15%すら原因も治療法も不明なものが多数含まれているといってもよいでしょう。
また定期検診が広く行われるようになってでかなり知れ渡ることになりましたが、40代前半であれば腰痛が無い方であっても約4割は画像診断上に椎間板ヘルニアが存在し、(無痛性ヘルニア)などと言います。
これはつまり、画像診断において問題とされたものと自覚症状としての痛みとの間には相関関係が見られないという事になります。
そのため以前は猫も杓子も手術だった脊柱外科において現在は手術を極力控える傾向になってきておりおます。
<脳の誤認が現代医学の答え>
そういったことをを受けてか、最近の潮流として(腰痛の原因は脳の誤認である)という考えが広まってきました。
心理的な要因が原因からくるストレスが脳の判断を誤らせて腰痛を過剰に引き起こしている。
という理論で、NHKなどで大々的に特番を組んで放送されましたのでご記憶にある方も多いではないでしょうか。
たしかに心理的側面もあるとは思いますが、現在言われているような(腰痛の7割は脳の誤認)という言い分には疑問を感じます.
有史以来上脈々と受け継がれて来た医療において、患者さんが快方に向かうための施策として薬事や外科的対応と同様に心理的なアプローチも医療者のさじ加減のもとにおこなわれてきており、成果を得ています。
今になって原因不明の腰痛のほとんどを心の問題から発生する脳の誤認としてしまうのは、私には問題をすり替えているように思えてなりません。
特に留意すべきは慢性腰痛が脳の問題に由来しているという事になれば日常的に抗うつ薬が処方されるという点です。
薬剤投与が過ぎれば副作用も考えられますので、この判断は慎重にすべきだと思います。
それでは、私達はどうすれば腰痛を克服できるのでしょうか? 次回をお楽しみに
仙人接骨院 仙人哲哉